サンパウロのクリスマス大渋滞



3年間ブラジルのサンパウロに住んで思ったこと…
ブラジル人にとって、年間最大イベントはカーニヴァルではなくクリスマスかもしれない!!
日本からみたブラジルのイメージは「カーニヴァル(しかもリオのサンボドロモで行われるやつ)」のようで、私も勝手にそうだと思い込んでいた。しかし私の周りにはカーニヴァルに興味がない人がけっこう多い。先入観というのは、持ってはいけないものだと改めて感じさせられる。

一方、クリスマスは大イベントのように扱われている。
家族でパーティーを行う人が多く、家族が近くにいない人は、友人家族が家に招いてくれたり、友人同士で集まったりする。
詳しくはこちら→ ブラジルでのクリスマスの過ごし方
そんなわけで、24日から25日のクリスマスパーティーのために22,23日は田舎へ帰る市民大移動の日となる。

12月22日にサンパウロで仕事をし、18時発のサンパウロのバーハ・フンダターミナル発タトゥイ市行きのバスに乗る予定だった。
いつもなら1時間前に着けば余裕でチケットが購入できるのだが、チケット売り場には長蛇の列。絶望的である。もちろん18時発のチケットは購入できず、21時発も満席で23時発のチケットを購入した。
出発時刻まで6時間待ちが決定。待合ベンチも足りずに、床に座る人や寝そべる人たち。トイレも飲食店も列ができている。

出発前にプラットフォームに下りようとするも、人だらけで進むのも一苦労。
なんとか乗り場にたどり着いたが、23時過ぎても乗る予定のバスが到着しない。私は隣でバスを待っていた人と仲良くなり世間話をしていた。というかナンパだった。
23時40分、バスが乗り場に向かってくるのが見えた瞬間、今まで怒っていた人達も歓声をあげ、なぜか拍手が起こる。(こういうときに拍手するブラジル人かわいい)


【23時発タトゥイ経由イタペティニンガ行き】と電光掲示板に書かれたバスが乗り場に着くと、数秒のざわつきの後に、物凄い勢いで人々がバス入り口に押し寄せる。
1人の女性が大声で叫んだ。
「23時って書いてあるから私が乗るバスよ!!」
「ふざけんな!21時のバスが先だろ!!」
と喧嘩スタート。

なんと、1本前の21時発のバスがまだ着いていなかったのだ。
もちろんだが、バスは21時発のチケットを持っている人がのることに。
騒動も納まり、「当たり前だよな…」なんて周りの人と話していたら、バスが出発する直前に一番最初に喧嘩をふっかけた女性がバスに飛び乗った。
21時のバスは満席のはずだが、2時間以上の遅延で乗車を諦めた人がいたために空席があったようだ。
混乱を防ぐためにか、バスはそのまま出発してしまい、乗り場からは大ブーイング。
最終的に23時発のバスが乗り場に着いたのは1時すぎ。1時20分頃にようやくターミナルを出発することができた。家に着いたのは夜中の3時。通常2時間で帰れるところ、ターミナルでの待ち時間を含めると10時間かかった。

予想以上だったクリスマスの大渋滞。
バス待ちの間に仲良くなった人は以前サンパウロ市内で運転手をしていたそうで、「一年の中で一番大渋滞が起こるのはクリスマス、次は母の日、父の日だよ。」と教えてくれた。カーニヴァルは通行止めによる渋滞が多いそう。
ちなみに大晦日前の海岸への渋滞もひどい。

それにしても恐ろしい大混乱だった。
ブラジルのクリスマスに対する本気度を知ることになる。もうクリスマス前には絶対に働かないと心に決めた。
この時期に移動を考えているひとはご注意を。

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